私説＜南京事件＞考證　

INTERMISSION

侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館

南京市茶亭東街

兒島　襄、秦　郁彦、鈴木　明氏等の眞摯な研究で　眞相は略々解明されてゐるにも不拘、
「300,000」と謂ふ數字だけが　むなしく一人歩きしている。

中山門と　紫金山にある中山陵。

中山門は第十六師團歩兵第二十聯隊（福知山）が突入した時は完全に破壊され盡くしていた。

中山陵の説明板に「日本軍は無法にも砲撃を加へた。」とある。

中支那方面軍は　中山陵への砲撃は勿論の事　立ち入りも嚴禁したと日本側記録にある。

　尤も　砲兵科出身の第十六師團（京都）　中島今朝吾師團長の陣中日誌には

「・・・　新米砲兵聨隊長ガ大隊ヲ掌握シ得ズ　火力機動ハ意ノ如クナラズ。」とある。
新米砲兵聯隊長とは野砲兵第二十二聯隊長三國直福大佐のことであらうか。　

現在は　完全に復興し「天下爲公、天地正氣」「民族、民生、民權」の金文字がまぶしい。

歩兵第四十七聯隊（大分）が竹梯子を掛けてよじ登ったと謂はれる「中華門」　　中華門上から「雨花臺」を望む。

最激戰地　雨花臺から中華門へは小銃彈はとどかなかったと謂はれる。

熊本第六師團長　谷　壽夫中將は　師團長として唯一人全責任をとらされて　雨花臺刑場の露と消へる。

頭掲　紀念館には　「國防部審判戰犯軍事法廷」　石　美瑜廷長の冷厳な顔寫眞とともに
後ろ手に縛られて跪かされ、後頭部を拳銃で撃たれた瞬間の　谷中將の處刑寫眞が掲示されてゐる。
酷いことである。　合掌。　　

（寫眞は　孰れも　平成九(1997)年五月　撮影）